~今日の一曲~ 第三回 ZARD 君と今日のことを一生忘れない


はしがき・予備知識


今回もZARDから一曲ご紹介したいと思います。

今日の一曲はZARDでいうところの『負けないで』や『揺れる思い』や『マイフレンド』といったような有名な曲ではなく少しマイナーな曲を紹介するスタンスで書いております。

今回ご紹介する『君と今日のことを一生忘れない』はZARD11枚目のオリジナルアルバム

『君とのdistance』に収録されているアルバム曲です。

『君とのdistance』を軽くご紹介したいと思います。

『君とのdistance』は2005年9月7日に発売されたオリジナルアルバムです。

収録楽曲は以下の通りです。


01.夏を待つセイル(帆)のように   (40thシングル)

02.サヨナラまでのディスタンス

03.かけがえのないもの      (38thシングル)

04.今日はゆっくり話そう     (39thシングル) 

05.君とのふれあい

06.セパレート・ウェイズ

07.Last Good-bye        (FIELD OF VIEWカバー)

08.星のかがやきよ       (40thシングル)

09.月に願いを

10.あなたと共に生きてゆく    (テレサ・テン楽曲提供)

11.I can't tell

12.good-night sweetheart

13.君と今日の事を一生忘れない

シングル曲4曲、カバー曲2曲、アルバム曲7曲となっておりオリジナルアルバムとしては十分充実したアルバムとなっています。


特筆すべきは10曲目の『あなたと共に生きてゆく』

元は1993年5月12日にテレサ・テンの26thシングルとして発売された楽曲です。


テレサ・テンさんを軽く紹介すると

テレサさんは台湾出身の歌手です。1970年代から1990年代にかけて、中華文化圏や日本、タイ、マレーシアなども含めたアジアにおいて広く人気を博した「アジアの歌姫」と評される女性歌手の第一人者です。

1984年【つぐない】、1985年【愛人】、1986年「時の流れに身をまかせ】で史上初の3年連続「日本有線大賞」、「全日本有線放送大賞」を獲得するという偉業を成し遂げた方です。

テレサ・テンさんは演歌の第一人者というイメージが強いですが歌謡曲も数多くリリースしていたり1980年代後半はJ-POP寄りの曲を歌っていたりと幅広いジャンルで活躍された方です。

惜しくも1995年5月に気管支喘息で42歳で亡くなられました。

この曲はテレサさん側がビーイングに楽曲提供を依頼しビーイングが楽曲提供した経緯があります。

作詞は坂井泉水、作曲は織田哲郎とZARDの黄金期を生み出したコンビです。

ZARDの全盛期の雰囲気を醸し出しておりしっとりとしたバラードです。

セルフカバーではテレサ・テンさんへのトリビュートとして間奏に中国語のセリフと二胡を取り入れています。

他にも9曲目の『月に願いを』はZARDでは珍しいメルヘンチック全開のワルツのような曲になっていたり

6曲目の『セパレート・ウェイズ』は笛の音色が特徴的な異国感漂う曲調となっていたりと聴きどころが数多くある秀逸なアルバムです。


全体を通しての聴きどころは坂井泉水の歌声だと感じます。

坂井さんが"ZARD"を通しての経験が歌声に凝縮されているように感じます。

1990年代では透明感のある歌声でテンポの速い曲でストレートに歌い上げていましたが 2000年代では柔らかな響きで心に染み入るような歌い方かなと感じています。

前にも書きましたがZARDの魅力の一つとして坂井さんの声質の変化によって主なジャンルが変化する点です。

ZARD結成当初はスピード感のあるロック,全盛期1990年代中期は爽やかなミドルポップ

2000年代では歌謡的J-POPと推移しています。

この『君とのdistance』は坂井さんの円熟したまろやかな歌声を堪能できるアルバムかなと感じています。

ZARDに興味を持たれた方は是非聴いていただきたいですね。



曲のレビュー


今回は曲の進行を文面で詳しく解説したいと思います。

導入はピアノソロから入ります。

1番のサビまでははピアノとシンセライザーで静けさ、壮大な雰囲気を演出しつつヴォーカルがしっとりと歌うように進行します。

1番のサビではピアノ、シンセライザーの他にアコースティックギター、パーカッション、コーラスが加わり盛り上がりを見せます。

ここで表題にもなっている歌詞”君と今日のことを一生忘れない”が歌われるのですがコーラスと坂井さんの声がうまく調和して情緒あふれる印象。

その後間奏でドラムセット、弦楽器が加わり2番に入ります。

2番前半の聴きどころはアコースティックギターです。

主旋律ではありませんがヴォーカルを引き立てています。

2番サビはエレキギターの派手なソロとなっています。

1番の歌詞をエレキギターが奏でる秀逸な構成です。

3番の前半では今まで登場した楽器がバックに入ります。

サビまではヴォーカル主体となり歌詞から壮大さを演出しながらサビへとつなげます。

サビはすべての楽器がバックグラウンドに入りながら抒情的に歌い上げ形容すると愛の真理を語っているかのような奥深さを感じさせます。

そして緩やかにフェードアウトします。

★全体的に曲の構成が非常に凝っており複雑でありながらも愛・地球といった壮大なテーマを提示する今までのZARDの楽曲の中では異色ともいえる楽曲かなと思います。

★壮大感を演出した大作の雰囲気を醸し出している楽曲かなと思います。





終わりに


今回ご紹介したアルバム『君とのdistance』がZARD最後のオリジナルアルバムとなっています。

このアルバムはZARDの集大成を具現化したかのような素晴らしい出来だと思います。

正直、ZARD全盛期の頃のアルバム・ベストより知名度は低いですが円熟した大人のZARDを味わいたい方は是非入手していただきたいと思います。

個人的には『君とのdistance』は夜に聞くことをお勧めします。

しっとりした雰囲気を持つ曲が多く静かな夜の方がZARDの世界観に没入できるのではないでしょうか。

このコラムからZARDについて何か知っていただけたのならば本望です。

ありがとうございました。

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